この記事を読むと、緊張する場面で、どんなふうに対処すればよいか、そのヒントがわかります。日常の中には、緊張する場面がありますよね。初対面の人と会うとき、学校や職場で意見を言うとき、人前で何かをするとき……。
緊張してもいいんです。それは、人として自然な反応です。
大切なのは、緊張しないようにすることではなく、「こんなときは、こうしてみよう」という対処の選択肢をいくつかもっておくこと。それが、安心にもつながります。
私自身、初対面の人と話すときは、少し慎重になる方です。最初は聴く側で過ごし、その場の空気が少しわかってきたころから、少しずつ話していくことが多いです。
このように、自分なりの対処法をもっておくことも一つの方法です。
そしてもう一つ、知っておきたいのが、「緊張したとき、自分の体はどうなっているか」ということ。体の状態に気づけるようになると、対処の方法はさらに増えていきます。
この記事を読みながら、自分に合いそうな方法を見つけてみてくださいね。
1 緊張したとき、体では何が起きている?
人の体は、緊張したときに、さまざまな変化が起こります。
・心拍数が上がる → ドキドキしやすくなる
・血圧が上がる
・筋肉が緊張する → 肩やあごなど、体に力が入りやすくなる
・発汗が促される → 汗が出やすくなる
・呼吸が速くなる → 息が浅くなりやすくなる
・消化の働きが変化する → おなかの不快感などが起こることもある
これらの反応は、わるいことではありません。緊張する場面に対応できるように、体が次の活動に向けて準備しているのです。
ですから、ドキドキしたり、肩に力が入ったりしていることに気づいたら、「体は、がんばって準備してくれているんだな。じゃあ、少しほぐしてみよう」そんなふうに考えてみるのもよいかもしれませんね。
では次に、実際にできる「体ほぐし」を3つご紹介します。
2 緊張したときの体ほぐし 3つのヒント
それでは、実際に体の緊張をほぐす方法を3つご紹介したいと思います。
1つ目は、呼吸から
「はく息を少し長くする」という呼吸は、緊張したときに取り入れやすい方法の一つです。
ここに、手をグーパーする動きをつけてみましょう。座っていても、立っていてもできる簡単な方法です。
① 手を握りながら、息を吸います。
② 手をゆっくり開きながら、息をはきます。
「手を開く」という動きをつけることで、はく息をゆっくり意識しやすくなります。
無理に大きく息を吸おうとしなくても大丈夫です。息をはく方に意識を向けましょう。自分が心地よいと感じる範囲で行ってみてくださいね。
2つ目は、筋肉をゆるめることから
緊張すると、肩やあご、手などに、知らないうちに力が入っていることがあります。そんなときは、肩を軽く動かしたり、あごの力をふっと抜いたりしてみましょう。
もう一つ、あえて筋肉に力を入れてから、ゆるめる方法もあります。
たとえば、手をぎゅっと握り、少し体に力を入れます。そのあと、手をゆっくり開きながら、体の力も抜いていきます。「力が入っている感じ」と「力が抜けた感じ」の違いを感じてみましょう。
筋肉をいったん緊張させてからゆるめる方法は、リラクセーションの方法としても使われています。
3つ目は、体の感覚に意識を向けることから
緊張していると、意識が「周りからどう見られているかな」「失敗しないかな」など、外のことやこれから起こることに向きやすくなります。そんなときは、今の自分の体に少し意識を戻してみる方法もあります。
立っていても、座っていてもかまいません。まず、自分の足の裏が床についている感覚を感じてみましょう。
・「床に触れているな」
・「少し体重がかかっているな」
そのくらいで十分です。
足裏だけでなく、座っているときのお尻と椅子の感覚や、息をしたときに空気が通っていく感じなど、自分が気づきやすいところでかまいません。
緊張そのものに意識が集中しているときに、こうして「今ここ」の感覚に注意を向けることで、少し落ち着きやすくなることがあります。
3 体以外からの緊張をゆるめる方法
体をほぐす以外にも、緊張したときの対処法はいくつかあります。
① 見通しをもつ
「こんな流れになるかな」
「こんな質問をされるかもしれないな」
そんなふうに、これから起こりそうなことをあらかじめ予想しておく方法です。まったく先が見えない状態よりも、少しでも見通しがあると、心の準備がしやすくなります。
② やることを一つずつ確認しておく
たとえば、人前で発表するときなら、一度リハーサルをしておく。会場や機材について、担当者に確認しておく。そんな準備も、緊張への対処になります。
「きっと、やっておいてくれるだろう」と思っていても、そうでないことがあります。あらかじめ自分で確認しておくと、「ここまでは準備できている」という安心にもつながります。
すべてを完璧に準備する必要はありません。自分で確認できるところを、一つずつ確認しておくくらいで十分です。
③ 自分が安心できる言葉をもっておく
緊張したとき、自分にかける言葉を一つもっておくのもよいですね。
「なんとかなるさ」
「大丈夫、大丈夫」
「やれることしかできないから、やれることをやろう」などなど。
人によって、しっくりくる言葉は違います。
無理に前向きな言葉を選ばなくてもかまいません。自分が少し落ち着ける言葉、自分にとって自然に感じられる言葉を、一つ見つけておくとよいかもしれませんね。
4 まとめ
いかがでしたか。ご自分にしっくりくる対処法を、一つでも見つけていただけたら嬉しいです。
人が緊張することは、わるいことではありません。緊張も、私たちが生きていく上で必要な反応の一つです。とはいえ、緊張が強すぎると、つらく感じることもありますよね。そんなとき、緊張したときに体で何が起きているのかを知り、自分に合った対処法をいくつかもっておくことで、できることの選択肢が増えていきます。
「こんなときは、これをやってみよう」そんな方法を一つずつ見つけておくとよいかもしれませんね。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回は「お口から安心を」をテーマに、セロトニンと食事との関係について考えてみたいと思います。

