この記事では、「椅子に座っているときの姿勢」をテーマにお話していきたいと思います。学校でも職場でも家でも、現代社会は椅子に座ることが多い環境ですからね。「姿勢」は見た目だけではないんですよ。
はじめに、現代人の「座る姿勢」が、その人の心や身体にどう影響しているか考えます。次に、「座る姿勢」を意識するために、気軽に生活の中でできることを3つほど紹介します。学校でも職場でも家庭でも、子どもでも大人でも、誰でもすぐに取り組める内容です。ぜひ、トライしていただければと思います。
1 「座る姿勢」と「心と身体」
「座る姿勢」は、次の3つに影響します。
〇 呼吸
正しい姿勢は、深い呼吸につながり、身体の健康や心の安定につながります。
〇 発音
以前のブログでもお伝えしましたが、座ったときに、右寄りか左寄りか(視線の向きや肩の向き等が左右どちらかに偏っていて、真正面から対象物を見ていない状態の姿勢)や、頬杖をつくかつかないかなどで、息の流れや筋肉の付き方等が変わる可能性があるかもしれないと言われています。これは、発音に影響します。
ことばの教室の担当者の方は、子どもや自分自身の座る姿勢を意識して、発音練習等に取り組んでいただけると嬉しいです。
〇 疲れやすさと集中力
意外かもしれませんが、正しい姿勢の方が疲れにくいです。そのため、集中力も増します。
2 「座る姿勢」を意識できるコツ3選
1 「坐骨」を感じて座る
えっ!いきなり、「坐骨」とは。でも、安心してください。3選の中でも説明が長くなりますが、一度要領をつかめば超簡単です。
「坐骨」は、身体のどの部分か確認してから、「坐骨」を意識しましょう。まずは、下の図で確かめましょう。青い線で囲った部分が「坐骨」です。

「坐骨」を感じて座るには、次のような手順をふめばできますよ。
1 手で坐骨を触って位置を確認
2 そのまま椅子に座り、座面に点で乗る感覚をキープ
3 背中を引き上げるように深呼吸
子どもには、次のような言葉かけでやってみましょう。
1 坐骨の場所を確認します。
「坐骨はお尻の下にある左右のつのみたいなものですよ。」
「お尻の下に手を当てると、コリッとしたかたい骨がポコッとあります。これが、坐骨です。」
2 「おしりにある“2つのつの”で座ってみましょう。」
3 「お山にすわるみたいに、ちょこんと。」
4 「骨で座ると、おなかの中で元気スイッチが入りますよ。」
5 「背中ピンじゃなくて、スッと長くね。かたくならなくていいですよ。」
6 「そのままの姿勢で、深呼吸してみましょう。すって~、はいて~。肩はストンとおろします。」
・お腹と背中がゆるく働いて、力みすぎていない
・足の裏が床についている(届かない子は足台)
・目が前を見ている(うつむかずに)
・呼吸がしやすい/声が出しやすい
筋肉だけで姿勢を支えるより、骨の構造を利用するほうが楽に長くよい姿勢を続けることができますよ。
「よい姿勢=がんばって胸を張る(カチコチのかたい姿勢)」ではなく、
※「骨で座り、筋肉はゆるく動く姿勢=しなやかな姿勢」が理想に近い姿勢です。
・「おしりの2つのつので、1分すわれるかな?」
・「せなかののびは、きょうは何点?」
2 壁立ち1分
これは、自分の姿勢を確認するためにも、座る前の準備としても活用できます。やり方は簡単です。

3 タブレット端末やスマホ、パソコンの画面は、目線の高さに近づける
これは、もう、私たち現代人の課題です。多くの人が「下向き姿勢」、「ストレートネック」になっているのではないでしょうか。子どもの肩こりも増えています。
目線を意識しているかしていないかで、その人の健康度は将来大きく変わっていくと自分は予想しています。
なぜかというと、
「画面と目線の高さに意識を向けられる人」は、「スマホのとの付き合い方も考えられる人」になるだろうと思うからです。
ここでは、「対象物と目線を合わせる」ことの工夫を紹介します。
・タブレット端末等の下に台や本を置く。
・立ち姿勢で、パソコン業務をする。(高い机や棚の利用)
下を向いた姿勢は、浅い呼吸しかできません。心の健康のためにも、画面と目線の位置には気をつけたいものです。
3 まとめ
いかがでしたか。「座る姿勢」に意識を向けるだけで、自分や家族の健康が保てることがお分かりいただけたでしょうか。また、ことばの教室では、発音練習する前に、心と身体を整えるために、「座る姿勢」が大切というメッセージが届いたでしょうか。「しなやかな姿勢」は、深い呼吸につながり、心も安定します。ぜひ、やれそうなところからトライしてみてくださいね。
さて、次回は「グルグル思考(何度も心配なことが頭の中をよぎる)脱出法」について考えてみたいと思います。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。ことゆゆでした。


