この記事を読むと、「聴く」とは、どういうことかわかりますよ。「聞く」とは違います。相手の話を聞くときは、「聴く」で聞くと、コミュニケーションが円滑に回ります。親が子どもの話を聞くとき、コーチや監督が部員の話を聞くとき、社長が社員の話を聞くとき、などなど。「聴く」は、人間関係をスムーズにする一つの手立てです。
「聞く」と「聴く」の違いは?
「聞く」と「聴く」は広辞苑で調べると、次のように書いてあります。
聞く…広く一般的に使用する
聴く…注意深く耳を傾ける
英語では、
「聞く=hear」で、「聴く=listen」です。
「聞く」の場合は、鳥の声や車の走る音など、自分が聞こうとしなくても、耳に入ってくるという感じです。受動的ですね。
「聴く」の場合は、能動的です。好きな音楽を聴く、友達の悩みを聴く、など。自分から聞こうとしています。相手やその音に特別の注意を向けている感じです。
では、学校ではみなさん、どう「聞く態度」を教わりましたか?
学校で教えてもらった聞く態度
たぶん、学校では、「集中して聞こう」と言われ、下記のようにするんだよと教えてもらったのではないでしょうか。
目…相手の方を見て👀
耳…耳を傾けて👂
心…相手の話に向けて💛
そして、
姿勢は、「グー、ピタ、ピン」や「グー、ペタ、ピン」でしょうか。
「グー✊」とは、
椅子に座って、背中は椅子から、おなかは机から「手のグー1個分✊」開けることです。
「ピタ」や「ペタ」とは、
足裏を、しっかりと床につけることです。
「ピン」とは、
背筋を伸ばすことです。
「グー、ピタ、ピン」や「グー、ペタ、ピン」は、「聴く」を具体的な型で示した言葉ですね。一応、この姿勢は、脳に血液がよく巡ります。集中できるということですね。
学校の「聞く態度」は「聴く」につながります。よく、何かを習得するときに、「型」から入ることがありますね。それと、同じです
蛇足ですが、ここで、注意が必要です。特に、先生方は必見!
この「聞く態度」の持続時間は、発達年齢や個人によって、違いがあります。一律にするのは不可能で、もし、できていたら、聞く側に相当な負担がかかっていると思ってください。たとえば、自分が聞きたくない話を聞かなければならない場合、集中して聞けるのは何分でしょうか。
学校や会社等で人に話を聞いてもらう場合は、話す相手を理解した上で、話す順番や話し方を工夫して話さなければ、相手の心に話の中身は届きません。授業等での話し方については、また、別の機会に詳しくお伝えします。
「聴く」を究める(きわめる)
「聴く」ということは、相手の言葉に耳を傾けます。「傾聴」とよく言われますね。しかし、これが、なかなか難しいんです。ほとんどの方は、聴いているつもりが、話しています。だいたい聴いてもらいたい人は、聴いてもらうだけで、まずは安心します。「黙って聞く」が「聴く」です。
具体的には、
・相手を見て👀
(話す方が過敏な場合は、目よりも顔の下あたりを見た方が緊張しません)
・身体を相手に向けて👂
・うなずいたり、あいづちをうったりして💛
「うん、うん」、「そーなんだ」など。会議の場合は、途中で話に割り込まないということです。
「聴く」ときは、何か言いたくなっても「がまん!」です。「あなたの話に関心がありますよー」と言葉ではなく上記のような態度で示しましょう。
すると、前述したように、話した相手は「聞いてもらえた」と安心します。そこから、お互いに対等な対話が生まれ、コミュニケーションがスムーズになります。学校や会社なら、次の解決策や新しいアイデアが生まれやすくなります。最近は「心理的安全性」と言われますね。
逆に、「聴く」で聞いてもらえない期間が続くと、話し手は、その相手(聞き手)への不信感がつのり、信頼関係が崩れていきます。そうなると、もう、聞き手から発信された言葉は相手に届きません。
対話のときに、上下関係はいりません。相手への敬意は、その相手の言葉や態度で、自然に生まれるものです。
まとめ
いかがでしたか。「聴く」について、おわかりいただけたでしょうか。聴く人は、目も身体も心も相手に向けます。そして、相手が話している間は、余計な言葉は言いません。相手の話をすべて聴いてから、対話を始めます。家庭でも学校でも職場でも、みな同じです。
さて、次回は、「かむこと」の最新情報をお伝えします。それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。ことゆゆでした。