この記事は、前回の「子どものことばを増やすかかわり方」の続きです。前回紹介したかかわり方が「なぜ」よいのか、お伝えしたいと思います。キーワードは「見える化」です❣「実況中継」と「おしゃべり」の2つについて解説しまーす。参考にしていただけたら幸いです。
「実況中継」がいいのは、なぜ?
前回の「まねる」のところで、子どもがしていることをテレビの「実況中継」のように、「ことばにして返すといいですよ」と、お伝えしました。なぜ、よいのかというと、子どもの目の前で、子どもの動作とことばが一致しているからです。しかも、遊びの場面だったら、子どもは、「楽しい」「おもしろい」などのプラスの感情も感じているでしょう。「(高さが)高い」ということばを子どもに覚えてもらいたい場合は、子どもがブロックを積み上げたときに、「このブロックタワー高いねー」と話しかけた方が、具体物があるので子どもにことばの意味がわかりやすいということです。しかも、肯定的な「楽しい」という感情とセットなら、さらに、記憶に残りやすいですね。「絵カード」よりも、強力な「見える化」です。
「一緒に何かしながら、おしゃべりをする」のがいいのはなぜ?
前回の「広げる」に関連する内容です。よく「インターネットや動画はよくない」と言われることがあります。しかし、それは子どもに「やらせっぱなし」だから、よくないのだと思います。そこに「人とのかかわり」を加えることで、インターネットの話題や動画は、プラスの効果を生み出します。子どもと温かい人間関係の大人が「場の共有」をすることで、プラスの記憶になります。そして、同じ話題の会話が生まれ、生きたことばが子どもに伝わっていきます。「共通の話題」や「動画を見ながらのおしゃべり」も「見える化」です。もしかしたら、大人の方が子どもから新しいことばを教えてもらえるかもしれませんね!
おまけ
さらに、ことばを豊かにするヒントを1つお伝えします。
子どもがその日のことを話してきたとき、「そうだったの」と笑顔で聞いた(肯定した)あとに、
「いつ?」「どこで?」「だれが?」「何を?」「どんなふうに?」と聞いてあげると、詳しく話す力がついてくると思います。しつこくならない程度に、さりげなく、「興味があるから教えて」という気持ちで聞くのがよいと思います。「へぇー、どこで?」や「そうなんだ、どんな感じで?」などです。そして、最後に「それは、よかったね」、「教えてくれて、ありがとう」、「今度、一緒にやろうか」など伝えると、子どもにプラスの記憶として残ること間違いなしです。
まとめ
いかがでしたか。「実況中継」と「一緒に何かをしながら子どもとおしゃべりをする」ことは、ことばの「見える化」で、子どもに生きたことばが伝わりやすいことがおわかりいただけたでしょうか。おいしいサンドイッチを子どもと食べながら「このサンドイッチは、野菜がシャキシャキしてるね」と子どもに話しかける感じです。
さて、次回は、「アンガーマネジメント」についてお伝えします。会話は大切と言われても、イライラして、人と話すのも嫌になることがある現代。「イラっときたら、アンガーマネジメント」みなさんと一緒に考えてみたいと思います。それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。ことゆゆでした。