この記事を読むと、発音を中心としたことばの発達の目安がわかりますよ。お子さんの発音が気になっている方、就学を来年に控えて相談しようかどうしようか迷っている方は、ぜひ参考になさってください。
子どもの発音 「最初に言う音は?」
赤ちゃんがことばを発したときの「あるある」を思い出してください。「ママ」だった。「パパ」だよ。「まんま」だよ。「ばあば」よ…。きっと、少しの差はあるかもしれませんが、どれも合っているのではないかなあと思います。幸せな瞬間ですよね。
「マ」も「パ」も「バ」も、どれも唇を閉じて開くときに発する音です。子どもが最初に発音する音と言われています。唇を開けたままだと大人でも「マ」は言えませんよ。だから、赤ちゃんは、唇を開けたり閉じたり上手なんですね。
発音の順番
発音の順番は以下の通りです。おおよその目安です。
1歳~2歳 母音(ア、イ、ウ、エ、オ)、マ行、バ行、パ行、ヤ行など
2歳~3歳 タ行、ダ行、ナ行、ガ行、カ行など
4歳~ ㇵ行、サ行、ザ行、ラ行、ツ音など
サ行やラ行などの音を発する場合は、舌の滑らかな動きが必要なので、その獲得には個人差があり7歳位でできる場合もあります。
子どもは全体の成長とともに少しずつ発音も発達していきます。だから、いきなり、ベイビートークの映画のように話せるのではありません。「さかな」を「しゃかな」と発音する時期もあるということです。
周囲とのかかわりで育まれる発音
子どもの発音もことば(ここでのことばは、話す内容)も、周囲とのかかわりで育まれていきます。周囲とは、環境のことで、人や物です。前回お話した通り、子どもが話そうとする原動力は「聴いてもらえた」という経験です。話すことが自然な発音の発達につながっていきます。
たとえば、赤ちゃんの機嫌がわるそうな場合、だいたい周囲の人は「おなかがすいたんだね」「おむつが気持ちわるいのかな」など、赤ちゃんがしゃべっていなくても、赤ちゃんに話しかけます。それを聞いているうちに、赤ちゃんは、少しずつことばを覚えていきます。
だから、子どもとかかわることが大切です。
・ゆっくりと会話をしながら食事をする。(もちろん、よくかんでね❣)
・子どもとおしゃべりしながら、料理を作る。
・テレビや動画を子どもと一緒に話しながら見る。
・子どもが寝るときに絵本を読む。あるいは、添い寝して、おしゃべりをする。
などなど。
現代は、誰も忙しい毎日ですが、人の子ども時代なんてあっという間です。子どもとスキンシップしながら密にかかわれるときは「今、このとき」です。1日の中で、子どもとおしゃべりする時間をとっていただけるとうれしいです。その時に一人でやろうとせずに、周囲の人も巻き込みましょう。家族で家事を分担するなどなど。そして、子どもとかかわる大人自身も、矛盾しますが、一人の時間や楽しみな時間をとり、リフレッシュするといいですよ。それが、無理なく楽しく子どもとかかわれる秘訣です。
まとめ
いかがでしたか。発音する順番のだいたいの目安がおわかりいただけたでしょうか。個人差があるので、あくまで目安です。周囲の人があたたかな気持ちで子どもとかかわることで、子どもの発音やことばは育まれていきます。それでも、ちょっと、心配と感じるときは、近くのことばの教室や園や学校の先生に相談してみましょう。話すことで安心することもあります。相談して損なことはないと思います。また、発音が気になったときの周囲の対応については、前回の記事をご覧ください。以前のページで「おうちでできるお口の体操」も紹介しています。トレーニングではなく、大人も子どもも楽しみながら、トライしていただけると幸いです。
それでは、次回は、「子どもとのかかわり」について、もう少しお伝えできればと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。ことゆゆでした。