思春期の拒食症と過食症 そばにいる人ができること

子どもの様子あれこれ

この記事を読むと、思春期拒食症過食症の症状や周囲の人がどのように対応したらよいかがわかりますよ。思春期の子どもたちには、心も身体も健やかに成長してほしいと誰もが願っています。この記事が、ほんのわずかでもその助けになれば幸いです。

思春期に多い摂食障害とは…

思春期に多い摂食障害は神経性やせ症と言われています。拒食症のことで、発症中に過食症の症状が出ることもあります。発症する要因は、やせ願望や太ることへの恐怖があると考えられています。しかし、それがないものもあります。軽度の不安や抑うつとともに体重減少するもの、完食の強要や、腹痛・嘔吐などの恐怖から食物を回避するものです。

摂食が困難になると、どんな様子…

神経性やせ症は、以下のような症状が見られます。

・朝、起きるのがつらい

・体温が低く、手指末端が冷える

・足がむくむ

・髪が抜ける

・虫歯が増えた

・月経不順、無月経

・胃痛がひどい

・嘔吐

・便秘

10代の摂食障害は世界的に増加しています。コロナ禍の人的交流の減少、SNSやメディア報道の影響が大きいと考えられています。また、頭の中が食べ物や体型のことでいっぱいになりSNS等で検索・閲覧してしまうことも多くなるからです。

15歳未満の場合は、健康維持できる体重の目安は、標準体重の85~90%(BMI18~20)です。

※摂食障害を疑うのは、標準体重80~75%に減少、直近8週間で週1kgのペースでの体重減少があった場合

思春期の摂食困難の心配な点は、現在だけでなく、その人の身体の未来にも影響するからです。以下が、心配な点です。

性ホルモンが著しく低下するため、骨粗しょう症や無月経、身長の伸びの停止などがみられます。(無月経が続く場合、妊娠に支障、腎機能障害、脳の萎縮)

・精神的には、気分の落ち込み、イライラ感や不安、こだわりが強くなる。(親や友達との関係不全、仲間からの孤立)

周囲の人ができること…

自分が最も大切と思うことは、支える気持ちの根底に「その症状が現れるのは、食べられないつらさで苦戦しているからだ」と、とらえることだと思います!本人も家族も、戦っている最中。だから、以下のようなことを、家族も学校も地道に続けていくことが必要だと思います。

・やせ願望のかげにかくれている自尊感情を高める

・完璧を求める心がある場合、「今、できていること」「うまくいっていること」に目を向けられるようにする。

・現在の体重で、体育や部活など安全にできるかどうか確認する。給食もどの程度食べられるか確認する。

・本人がよければ、週に1回程度保健室で体重測定する。

※ 本人・保護者・かかりつけ医と十分に相談しながら進める。

また、相談を受けた場合は、以下のような手順が考えられます。

・きっかけや気持ちを聞いて、受け入れる。(親子関係、友達関係、ダイエット…)

・心配していることを伝える。

・よくなるために何ができそうか、一緒に考える

・できたこと、よくなった点を伝える。

気持ちの表現を促す。

・学校の場合、卒業まで、見守ることも伝える。

・「しなければならない」と思う気持ちをほぐしていく。

・問題行動が出ている場合は、ルールを話し合う。

・受診は、身体症状を理由にする方が受診しやすい。

対応より予防…

その要因や対応を見ていくと、そうなる前に予防ができることがわかります。

家庭では…

・子どもの話を聴く時間やスキンシップの時間をとることです。短い時間でもいいんです。「関心を向けているよ」というメッセージが伝わればOKです。

・「~でなければならない」と子どもが思わないように、まずは、繰り返しになりますが、子どもの言い分をいて受け入れる。そして、そのあとに、「~しなさい」より「どうしたい?」「どう考えてる?」「どう思う?」など問いかけましょう。指示や命令ではなく、対話です。子どもは小さいですが、一人の人間です。子どもが答えるのが難しい場合は、いくつか選択肢を提示してあげるといいですよ。一緒に考えることが大切と思います。

 

学校では…

・保健体育科や家庭科等で、「心と身体」、「栄養と身体」、「性」などについての正しい知識を伝える。

・いつでもだれでも相談できる体制を整えておく。

・「先生たちみんなで、みんなのことを見守っているよ」というメッセージを学校全体に広げておく。

そして、家庭でも学校でも大切なことは、「大人が失敗する姿」を見せるということです。完璧な人間はいません。「~でなければならない」という気持ちに心がとらわれてしまうと、不安やうつにつながります。息苦しくなります。「失敗することもあるけれど、大丈夫だよ」というメッセージを送ってほしいなあと思います。「失敗は成功のもと」ですからね。

参考サイト 摂食障害情報ポータルサイトhttps://edcenter.ncnp.go.jp/edportal_general/

まとめ

いかがでしたか。摂食障害の症状やその対応についておわかりいただけたでしょうか。摂食困難になる前のつらさを早めに察知し、本人と一緒に考えていけるのが何よりと思います。長期戦になることも考えられます。本人も周囲の人も一人で抱え込まず、みんなで考えていきましょう。

さて、次回は「最近、かんでますか?」をテーマにお伝えしたいと思います。昨日は、11月8日「いい歯の日」でした。歯の健康と「かむこと」を振り返りたいと思います。それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。ことゆゆでした。

 

 

 

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